考古学

考古学者は名探偵 山本忠尚 論創社

今回も新しい本です。と言っても、昨年末に出版された本です。学者という職業は、考古学に限らず探偵であることは間違いないと思います。皆、詳細を観察し痕跡を見つけては推理し(仮説をたて)それを証明していく。優秀は学者であればあすほど、名探偵であると言ってもいいのではないかと思います。この本は、筆者が考古学者であったことから、当然ではありますが、考古学の世界を探偵に見立てて平易に解説しようと試みられた書物です。最初の頃は、残念ながらそれ程面白くない。楽屋落ちという感じの内容ですが、第五章と第六章はなかなか面白かった。何名かの名探偵の紹介であるのですが、それに、自分なりの推理を付け加えておられる。少なくとも、名前が挙がった名探偵諸氏の本は是非共読んでみたいと思わせられる内容でした。個人的には、第五章のトイレの考古学と、第六章の則天文字をより深く勉強してみることにしました。この2点に関しては、山本氏自身のもう一歩踏みこんだ考察を聞いてみたい気がしました。機会があれば、また書いていただきたいです。(売店で販売中、送料無料です。書籍をクリックしていただくと売店に飛びます。)
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読みやすさ  ★★★★
着想の奇抜さ ★★
論理の力強さ ★★★

入門者のための考古学教室 山岸良二 同成社

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考古学というのは、ちょっと片意地を張ったところのある学問です。まず、古代から伝わる史書というのを信じない。少し言い過ぎかもしれませんが、そんなところのある学問です。では、何を信じるかというと、実際に目にするもの、発掘されたものです。その情報を集めて、体系化していくというのが考古学です。ですから、考古学を俯瞰的に説明するというのは難しいのだと思います。
この本は、歴史に興味はあるけど、考古学の「こ」の字も知らないという読者を対象として書かれているようです。日本原人から奈良時代あたりまでを200頁程度にまとめるのですから、仕方がないのですが、どうしても表層的で特異な事象に偏ってしまいます。こんな見方もあるんだということを知るには良いのかもしれません。この本で何かを得ようとするのでなく、歴史への取り組みの一歩として活用してもらえればと思います。(売店で販売中、送料無料です。)
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読みやすさ  ★★★
着想の奇抜さ ★★
論理の力強さ ★

考古学と古代史のあいだ 白石太一郎 ちくま学芸文庫

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時として学者というのは「やっかいなものだな」と感じる時があります。学問と真摯に向かい合うためには、予断や偏見は御法度なんだろうということはよくわかりますが、これほど多くの研究が進む中でどうして相互にそれを利用し、俯瞰的な目を持って古代史の研究が進められないのだろうと疑問をなげたくなることがあります。私は、学者ではありませんから、どんなものでも参考にします。日本書紀自体が偏見に満ちあふれているのですから、偏見も予断も大歓迎なのです。考古学に感心のある人の中で、白石先生の名前を知らない人はいないと思います。正しく、学会のトップを走る方ですが、考古学に留まらず文献の研究も尊重しようという姿勢は、正しく拍手を贈りたいと思います。この書は、古墳や副葬品を中心に、魏志倭人伝から倭の五王迄をやさしく解説し日本建国の姿を教えてくれています。優しい語り口が魅力でもあります。素直に、良い本だと思います。(売店で販売中、送料無料です。)
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読みやすさ  ★★★★★
着想の奇抜さ ★★★
論理の力強さ ★★★★★