邪馬台国
日本古代史を科学する 中田力 PHP新書
2020年04月16日16:24 格納先:古代史
非常に鼻につく様に感じるのは、断定口調が多いせいでしょうか。自然科学の論理と手法を用いない人文科学なる物は2流の学問であるという論調でまくし立て、自分が推定する邪馬台国宮崎説に対しては「どの様な権威者がどの様な詭弁を使ったとしても、「魏志倭人伝」を前提とする条件を設定する限り、理論的にこの結論を否定できないのである」なのだそうです。私に言わせれば、「誰も否定しきることはできないかもしれませんが、誰も肯定することができない説」だと思います。
科学と言いながら、次に出てくるのは(自分で行ったのではない)DNAの解析結果からの、弥生人がどこから来たのかの推論です。科学と言うのであれば、もう少し、DNAの分析結果をクラスター分析か何かを使って、説得力のある説明をしてもらいたかったと思います。後半の、出雲と四王朝説に至っては、最早、科学でもなんでもない。中国史の大きな流れだけの上での作者の空想でしかありません。科学はどこに行ったのでしょうかと言いたくなりました。(本の写真をクリックいただければ、アマゾンのショップに繋がります。)

読みやすさ ★★★
着想の奇抜さ ★★
論理の力強さ ★★★
卑弥呼と冢 高瀬航太郎 新人物往来社
2013年11月08日11:42 格納先:古代史

卑弥呼と冢―魏志倭人伝の問題点を探る

読みやすさ ★★★★
着想の奇抜さ ★★
論理の力強さ ★★
邪馬台国見聞録 安本美典 徳間文庫
2012年09月19日11:59 格納先:古代史
中国の研究者のみた邪馬台国 汪 向栄 同成社
2012年09月18日15:42 格納先:古代史
邪馬台国を読み解くには、どうしても魏志倭人伝に代表される中国の歴史書を追っかけていくことが必須であり、絶対となります。我々は、それらの文を書下し文にして読みますが、時々、「以」の用法とはじめとして、この接続詞としての理解でいいのだろうかと不安になることがあります。中国の人からみれば、どこまでの意味が隠されているのか解明してくれるのだろうかと期待して読みましたが、ほとんどの内容が日本のこれまでの研究者のまとめとなっていました。最も経済の発達したところに都があったというのは、考え方として納得しにくいものがあります。(本の写真をクリックいただければ、アマゾンのショップに繋がります。)

読みやすさ ★★★★
着想の奇抜さ ★★
論理の力強さ ★★★