「日本書記」の暗号 林青梧 講談社

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かなり面白い。真相の古代史という副題がついていますが、もちろん、真相かどうかはわかりません。というか、違うと思います。
朝鮮半島からやってきた渡来人達が、日本を作っていったという大きな流れは、その通りだと思います。そして、新羅系と百済系の対立があったことも事実であると思います。史実自体が、日本が幾度も朝鮮半島への進出を目指し、また、人質や有識者、技術者を受け入れて来たためです。しかし、日本がその時代、新羅に攻め込まれ押さえ込まれていたという事実はありませんし、百済に取り込まれていたという事実もありません。中大兄皇子が葛城皇子と金春秋のことで、大海人皇子が金多遂だというのは、最早史実から大幅にかけ離れており、説明できないことのほうが多過ぎます。
物語としては非常に面白い流れであると思いますし、時代の流れから推測を繰り返すアプローチも共感が持てます。歴史探求社おすすめの一冊です。個人的には、この書で引用されていますソウル大出版の文定昌氏の「日本上古史」は、なんとしても手に入れて、じっくり読んでみたいと思います。(もしよろしければ、売店で中古品から御求めください。)

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読みやすさ  ★★★★
着想の奇抜さ ★★★★★
論理の力強さ ★★★