考古学者は名探偵 山本忠尚 論創社

今回も新しい本です。と言っても、昨年末に出版された本です。学者という職業は、考古学に限らず探偵であることは間違いないと思います。皆、詳細を観察し痕跡を見つけては推理し(仮説をたて)それを証明していく。優秀は学者であればあすほど、名探偵であると言ってもいいのではないかと思います。この本は、筆者が考古学者であったことから、当然ではありますが、考古学の世界を探偵に見立てて平易に解説しようと試みられた書物です。最初の頃は、残念ながらそれ程面白くない。楽屋落ちという感じの内容ですが、第五章と第六章はなかなか面白かった。何名かの名探偵の紹介であるのですが、それに、自分なりの推理を付け加えておられる。少なくとも、名前が挙がった名探偵諸氏の本は是非共読んでみたいと思わせられる内容でした。個人的には、第五章のトイレの考古学と、第六章の則天文字をより深く勉強してみることにしました。この2点に関しては、山本氏自身のもう一歩踏みこんだ考察を聞いてみたい気がしました。機会があれば、また書いていただきたいです。(本の写真をクリックいただければ、アマゾンのショップに繋がります。)
Pasted Graphic 4

読みやすさ  ★★★★
着想の奇抜さ ★★
論理の力強さ ★★★