学問と夢と騎馬民族 江上波夫 日本経済新聞社

騎馬民族征服王朝説の江上波夫先生を知る一冊。私にとっては、幼少期や、中学、高校、大学時代のお話などどうでも良いのだが、それなりに面白く読ませていただいた。古代史などと言う学問分野は、あくまでも世の中に必要なものとは認識されていなかったのだと言うことが良くわかる内容でもありました。
何と言っても、II部「学問は探検である」が、この本のすべてです。とくに「日本における民族の形成と国家の起源」は、すべての古代史ファン、考古学ファン、考古学の研究者に是非とも読んでもらいたい文章です。1964年に東洋文化研究所紀要に掲載された論文です。まさしく古代史の教科書。必見です。絶対のおすすめの文章です。この論文のために、この本を手に取って下さい。
その後の、牧畜騎馬民族と農耕都市民族の違いも面白かった。生涯にわたり、騎馬民族を追い求めた江上波夫先生の史観です。やっぱり、江上波夫先生は素晴らしい。そう感じました。

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読みやすさ  ★★★★★
着想の奇抜さ ★★★★
論理の力強さ ★★★★★