竹内街道1400年



今年のお正月、1月1日に配信されたニュースの中に、奈良県葛城市長の「竹内街道」の観光PRの談話がありました。(毎日新聞配信)「竹内街道」周辺の12自治体と共同で文化遺産をPRしようというものです。

この竹内街道(たけのうちかいどう)は、大阪の応神天皇陵と仁徳天皇陵の間から葛城市の長尾神社に続く街道です。三輪山をとりまいた大蛇の尾が届いた場所なので、長尾と言われます。巳年の今年にはうってつけの場所かもしれません。

日本書紀には、推古天皇の二十一年に「難波より京に至る大道を置く」と記載されています。この京とは、推古天皇がいた小墾田宮(おはりだのみや)のことですから、奈良の明日香村です。朝廷が作った最初の大道ということになりますから、今で言う、日本初の国道ということになるのでしょうか。国道1号は東海道を走りますが、本当の意味での国道1号は、この竹内街道であったということになります。
現在、この竹内街道は、国道166号となっています。国道166号自体は、大阪の羽曳野市を起点として奈良の橿原市を経由して伊勢街道に続き、宇陀市や、吉野の山中を抜けて、和歌山街道となり三重県の松坂市に至る道です。
竹内街道
竹内街道の起点は、堺市の大小路橋の交差点です。そこから東へ進み、堺市役所の前を南へ折れ、やや東南東に進み、仁徳天皇陵の北側へと出ます。百舌鳥古墳群に別れを告げ、東南東に進み金岡神社の前を通り、大阪中央環状線を横切り府道31号線に入ります。この府道31号線これが竹内街道です。大泉緑地の南縁を中央環状線に平行して進み、松原市を横切り美原ロータリーで、31号に別れを告げ、31号の南側の道を進みます。ここからは古市古墳群に入ってきます。仁賢天皇陵で南に折れ清寧天皇陵の北をすすみ、日本武尊陵にそって東へと進みます。白鳥の交差点から国道166号になります。
太子町に入り上ノ太子駅から国道166号を進むと、春日西の交差点から、竹内街道の古道をそのまま残す道があります。特に太子町役場から山沿いに道の駅近つ飛鳥の里・太子迄の道は散策コースとしてはおすすめです。整備された観光用の小道を、古い旧家や孝徳天皇陵を右左に見ながら進みますと、竹内街道歴史資料館があります。道の駅を過ぎますと竹内峠迄は国道166号に戻ります。
竹内峠には、鶯の関址があります。そこから、国道166号に沿って、旧道が保存されています。車では入れませんが歩いて山を下ることができます。少しの間国道166号に戻りますが、菅原神社の前からは旧道が残されており、これが長尾神社迄続きます。
推古天皇の治世では、遣隋使や遣唐使がここを行き交い、非常に重要な道路として栄えたのではないかと思われます。日本が素晴らしい国であることを示す外交の道でもあったでしょうし、全ての文化はこの道を通してもたらされたことと思います。シルクロードの日本での道であり、ここを通って朝鮮半島から中国を渡り、ローマ帝国迄続く道があったと考えると想いもひとしおです。

歴史探求社では、それぞれの地域を取り上げ、その地に残る事跡や伝承を紹介していきたいと思います。
  
1. 百舌鳥古墳群
  
2. 古市古墳群
  
3. 太子町の遺跡
  
4. 葛城市の遺跡

歴史探求社の本 
竹内街道物語

■ 1400年事業ニュース
  • 大阪府太子町では、地元住民による「竹内街道にぎわいづくり協議会」を発足し、「竹内街道灯路祭り」を開催しています。2000個の灯ろうを並べる祭りですが、今年は、飛鳥時代の衣装をつけた時代行列を行うそうです。「竹内街道灯路祭り」は10月開催です。
  • 竹内街道・横大路(大道)デジタルフォトコンテスト 応募受付期間 平成25年9月2日() ~10月4日()まで 詳細はこちら