古事記1300年出雲大社大遷宮特別展 出雲 ー聖地の至宝ー

出雲展
東京国立博物館 本館特別5・4室で、2012年10月10日(水)から、11月25日迄「出雲 ー聖地の至宝ー」が開催されています。
出雲は、未だに謎が多く解明がすすんでいない古代史の代表的な分野です。古事記1300年記念事業の一環のようですが、60年に一度の出雲大遷宮が行われるということもあって、特別な意味合いの展示とされています。
入場料800円を払って行ってみると、土曜日ということもあり、非常に混雑していました。2つの部屋を使って展示してあるのですが、目玉は、先日発掘され話題となった、大木3本を纏めて作った宇豆柱と、古代16丈あったとされる出雲大社の復元模型でした。もちろん、宇豆柱の巨大さを目の前で見ることができるのは素晴らしいのですが、展示内容には、今一驚くような内容はありませんでした。せっかく、古事記や、出雲国風土記、それに、宇豆柱を使った出雲大社の築造図面のある玉勝間迄取り寄せて展示してあるのですから、夢の膨らむストーリーを展開していただきたかったように思います。別の部屋では、「島根の至宝」と題して、荒神谷遺跡の銅剣や、加茂岩倉遺跡の銅鐸等が展示されていすが、こちらも解説に面白さがありませんでした。Xの印が共に付けられているというだけで、その内容を深堀したものもなく、正直、「なるほどね」という感想は持ちましたが、感激する迄には至りませんでした。平安時代の木彫りの像も多く並べられていましたが、何が言いたかったのでしょうか。成相寺の宣伝なのかと思ってしまいました。背景にあるストーリーが欲しかった気がします。
唯一、新たな取り組みだなと感じたのが、GPS機能を用いて、博物館の近くだけは、iPhoneユーザーであれば、アプリを無料でダウンロードすることで、CG作成の出雲大社をバックにして写真がとれるというものです。iPadで、やってみようとしましたが、制限がかかっていてダウンロードさへできませんでした。この写真を使って、コンクールも行うみたいですがアプリの開発費用の一部を広く入場者から負担させているとするなら、ちょっとやりきれないものがあります。もう一歩、平等性を考慮した工夫をしてほしかったと思います。総じて、残念でした。