地図でたどる日本史 佐藤和彦 東京堂出版

歴史においては、どのような出来事であっても、地理的な制約や地理的な必然性がつきまといます。特に、古代にいけばいく程、地理的な要素というのは比重が高まるように思います。ほとんどの歴史書が、時間の流れで、つまり時間的な積み上げで物事を考え整理していますが、地理的な要素をもとに整理する本が会っても良いのではないかと考えていました。私が手にしたのは偶然でしたが、結構楽しめました。それぞれのテーマ別に、数頁で整理しています。教科書的な匂いのする本ですが、扱っているテーマは教科書からはかなり離れた内容です。私が個人的に、面白かった(初めて気づかされた)内容は、「アイヌと北方領土」「江戸の町づくり」「廃物希釈の嵐と抵抗」等です。どのテーマも味わい深かったですが、ページ数の関係で、割と表面的な解説に終わってしまっています。関心のあるテーマを見つけたら、つっこんで調べてみるというきっかけにするには良い本だと思います。(本の写真をクリックいただければ、アマゾンのショップに繋がります。)
Pasted Graphic 4

読みやすさ  ★★★★
着想の奇抜さ ★★★★
論理の力強さ ★★★